第10回 東京朝鮮中高級学校美術部展 「変わる・変える」展は30日、無事に搬出終わりました。
会場の東京芸術劇場アトリエウエストでの7日間。来場者は述べ340人でした。みんな頑張りました。また、保護者の方たちにも午前受付や差し入れなど、色々支えてもらいました。ありがとうございます。
一アンケートを読み、観覧者としての感想も含めて 崔誠圭
第10回 東京朝鮮中高級学校美術部展 「変わる・変える」展では来場者の方々に簡単なアンケートをもらいました。
その中で重要な意見。一番たいところを突く意見でした。
「もっと外に向けて発信させるべきだ。仲間たちだけの内輪の展示になっていませんか。」
ー展示の場の価値は企画者たちがいかにそこで学ぶかという姿勢にかかっている。観覧者の反応を待つような受け身ではなく貪欲に他者に向かい、自分の作品コンセプトを述べ、意見をもらうべき。常に作者たちがその場にいる事は学校日程上出来なかった。ならばその分、居られるときに来た人たちには積極的に自分の意見を述べ、謙虚に他者の意見を聞くべき。そのまま飾って置いておくような作品ではないし、言葉が要らないくらい全てが表現しきれているわけでもない。
ー展示会場が東京芸術劇場アトリエイーストという整った展示空間であったが、そこで観覧者をただ待つという姿が、閉鎖的な行為につながっていないか。一つの整った部屋で展示する行為で反対にその場に縛られてはいないか。今回の展示で整列された、はみ出たものが感じられなかった印象は、以前から制作していた作品を含め、この空間を想定して展示のために運搬してきたものであり、計画通りに進行した結果である。でも、アートってそんなものだろうか。中高生の傍若無人さは大人からはウザいものであるが、それが時に風穴を開ける事もある。公共的な、公式な会場で行う事での表現に限界を自ら作る「自粛」が自覚なく行われてしまった可能性がある。
少しドキドキさせてくれた行為として今回の企画で「HAKONIWA」という作品があった。砂を大量に使う、来場者に勝手に触らせる、最後に水が入る、という一連の流れにあった不安感は予測内で何とか終わったものの最後に水を抜き、砂を片づける行為に至るまで全てを作品化してほしかった。
社会とつながる行為として屋台企画「ここは誰?私はどこ?」、「世界の紛争は全て腕相撲で解決できる」という企画があった。来場者と対面し、話しながら進行する感じや、体を使い、来場者と相対する行為は開かれていて面白い行為だった。特に来場者と立場が逆転し、質問される場面などかき回し、かき回される感じが展示会場と言う場を柔らかくし、来場者を表現者に変える場面だった。来場者を表現者に変える。「変わる・変える」展テーマの王道を行く作品であり、内輪で終わらず、外に発信するというこれからの展示へのヒントになる行為であった事を自覚する事が大事だ。
学校の美術部であってもアートを志向するのであれば、社会に開かれていなければならない。その究極を企画として求めた時、どのような形になるのか学生たちが一から考えるのもいい。多分、展示室で展示するという事自体が、今までの事を踏襲する発表形態であり、用意されたものだから。常に枠や境界線を超える行為がアートの姿であるなら今回の「変わる・変える」展では、まず”部展開催がありき”でテーマをひねり出していくという所から脱して自分たちの表現行為と社会へのつながりを模索してほしい。
美術部員たちは展示する前後に様々な方たちと出会い、刺激を受け、社会での自分の位置を多角的に確認した場面に出くわしました。
何か事を起こしてくれそうな予感がします。
これからの表現と社会とのかかわりがどうなるかを見守っていきたいと思います。
部展では1月24日日曜日にレセプション&イベントを予定しています。
午後1時から開始!
ー作家による作品紹介
ー音のパフォーマンス
ーライブペインティング
ー屋台企画
ー「世界の紛争は全て腕相撲で解決できる」
など。
順番は変更になる場合があります。
美術部展では2冊の部誌(毎年、美術部制作の雑誌)を用意しています。一冊は「変わる・変える」展のパンフとなるものを部員の一人がデザインし、作りました。その学生にとっては初めて作った「本」になります。
もうひとつは部員たちのアートに関する文章を集めた部誌となります。題名は「ART OF WRITING.」制作に関する思いやアート活動に関する経験などを集めたものです。
無料配布です!
今回の展示会では、「変化」をテーマに制作を行いました。
私たちの身の回りでは、常に様々な変化が起こっています。
その大きさは人間の中のささいな感情の変化から、世界を動かす情勢の変化まで、限りはありません。
そもそも、物事が変化しているかどうかというのは、見方によって変わってしまいます。
たとえば日本は一年の間に、春夏秋冬と季節が変わっていきます。
しかし一年の間に、この4つの季節が繰り返されることに変わりはないのです。
私たちは、このように摑みどころはないけれど、確実に身の回りを動かしていく「変わる」ことにまず焦点を当てました。
次に、自分たちが「変える」ことについても考えました。
あらゆるものが次々と変わっていくなかで、意識していなくても私たちは「変える」ことに関わっています。
もちろん自分の性格や現状などを積極的に「変える」ために努力をすることもあります。それには勇気や覚悟が必要です。
しかしそれだけでなく、自分の何気ない言葉や行動が結果的に周囲の何かを「変える」こともあります。
たとえ自分の手で変えられるのは小さなことだけだとしても、それが刺激となって周りに連鎖し、知らぬところで大きな変化をもたらすこともあります。
変わっていく日々のなか生きていると、私たちもいつのまにかその変化に携わっているのです。
このように、身の周りにある様々な変化と自身を強く結びつけ、私たちは制作を行いました。
この展示会が、来場者の皆さまの次なる変化を起こす刺激になれば幸いです。
第10回 東京朝鮮中高級学校美術部展 「変わる・変える」展
日時:2016年1月23日(土)~30日(土)10:00~19:00(23日は16:00から、30日は16:00まで)
会場:東京芸術劇場 アトリエウエスト 〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-8-1
JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口と直結。
24日(日)にオープニング、パフォーマンスなどを予定
参加型企画「ここは誰?私はどこ?」
参加者が言葉でつながりながら、意味ががらりと変化する。
言葉の抽象性を利用した企画。
「HAKONIWA」
展示空間に箱庭を設置。
7日間の展示でどのように変わるか?
みんな参加してください。
そして最後の日
待っているものは、、、
「世界の紛争は全て腕相撲で解決できる」
今、世界は複雑に入り乱れ、国家や民族間の紛争は平和を望む人々の心に反して広がりを見せています。何故、争いは起こるのか。人間の闘争本能はいかにして昇華すべきか。自分の体を使い、痛みや疲弊を感じなければリアルとは言えない!
ライブペインティング
「幼いころの絵を今の実力で描いてみる」
幼いころに描いた無邪気な絵をあなたはまだ持っていますか?全ての子が天才であったあの頃の伸び伸びとした絵画を今の実力でそのまま描いたらどうなるか。実験ライブペインティング。
【前部長の意気込み】
今回の部展では「変わる・変える」のテーマに沿って、部員たちの個人作品とともに展示会のシンボルとなる合作を展示します。これは私たちだけでなく、来場者の方々にも参加してもらうことで完成する作品です。ひとつの作品を共に制作していく過程で、私たちのなかの”変化”に対するそれぞれの思いを作品に共有できたら嬉しいです。
高3 コ・ソナ
【新部長の意気込み】
2016年になって新部長になり、より一層責任感が増しました。今回の部展の「変わる・変える」のテーマを考えると、私が一番変化しなければならないでしょう。東京朝高の美術部を引っ張って行く初めの仕事として悔いのないように努力します。
高2 コ・セナル
【部長の意気込み】
中一から美術部に入り、これまでの約二年間、先輩たちと一緒に個性的な部展を開催してきました。 今年で所属三年目になりますが、「変わる、変える」のテーマのように、変化した自分で部展に挑み、後悔の残らぬように一生懸命に励んで成功を収めたいと思います。
中3 キム・ヨンス
【部展への意気込み】
中学3年から美術部に入り、これまで4年間、部員たちと一緒に色々なテーマの部展を開いてきました。今年で自分の最後の部展となりますが、今までの経験を活かしながら、「変わる、変える」のテーマに挑んでいきたいと思います。
高3 リ・ジョンウ
【部展への意気込み】
私にとって今年で二度目になった部展ですが、去年と比べて少しでも「変化」があるように自分自身たのしみながら、精いっぱい展示を盛り上げていきたいと思います!♡♡
高2 ハン・ユヒャン
【部展への意気込み】
今回は作品を「完成」出来るように。。。
今年は風邪で休まないように。。。
高2 チョン・ソンダル
【部展への意気込み】
今回の部展のテーマ「変わる、変える」 について考えを深めるなか、ひとつのことを追求する事がどれだけ難しいのかがわかりました。
今回初めて部展に参加しますが上手くできるように頑張ります。
高1 チャン・ミョンヒ
【部展への意気込み】
高校に入って初めての部展なので、まだよくわからない所もありますが、自分なりに頑張ります!
部員みんなで力を合わせて最高の部展にし、部員との絆をさらに深められたらいいと思います。
高1 パク・ミポ
【部展への意気込み】
今回、初めて参加する部展なので、みんなで最高の展示会になるように頑張ります! まだ未熟なところもありますが、部員のみんなと団結してステキな合作を作り上げたいと思います。
高1 コ・ユフィ
【部展への意気込み】
このたびの部展は、高校に進学し初の部展であり、また一年間の部活動の締めくくりなので、全力でぶつかっていきたいと思います!
「変わる、変える」というテーマに込められた意味を模索する過程に、制作の楽しみを見出せたらと思います。
高1 クム・ソンギュン
【部展への意気込み】
今回で部展への参加は三回目を迎えるとともに中学最後の部展なので「変わる 変える」というテーマに合った作品を一生懸命作れるように頑張ります。
また、合作も皆で一致団結して制作したいと思います。
中3 キム・チョリョン
【部展への意気込み】
僕は入部して1年も経っていないのでまだ美術についてよくわかりません。ですが、絵が好きで上手になりたいので、もっと一生懸命に頑張りたいと思います。
中1 チュ・チソン
今回の部展テーマは「流転」です。このテーマには、物事が常に移ろい、変化し続けるという意味が込められています。私たちの周りには、季節の移り変わりや人の心の変化、時間の流れなど、さまざまな形で「流転」が存在しています。人間の歴史、自然の法則、私たちの日々の営みは、すべて変化と循環の中にあります。生と死、始まりと終わり、そして再生といった輪廻的な考え方や、時間とともに移ろう感情や価値観など、あらゆるものが流転のサイクルの中にあります。
この展示では、アーティストの皆様にそれぞれの視点で「流転」を考え、自由に解釈していただきたいと考えています。変化するものの美しさや、循環の中で生まれる新たな価値観など、さまざまな表現が交錯する展示にしましょう。
美術部部長 申鮮鎬
美術部展「流転」参加アーティスト受付中
昨年度の美術部展「//自由」展では、たくさんの方々にご支援いただき、おかげさまで大成功を収めることができました。クラウドファンディングでも目標以上の応援をいただき、周りの皆様と一緒に展示を作り上げることができたことに心から感謝しています。
今年度も、共に素晴らしい展示を作り上げていきたいと考えております。また、参加アーティストの皆様とのつながりも、より深めていけたらと思っています。
そこで、1月27日から開催予定の美術部展についてご案内させていただきます。ぜひ今回の展示にもご参加いただき、共に新しい表現を生み出す場を作り上げていければと思います。どうぞご検討のほど、よろしくお願いいたします。
今回の部展テーマは「流転」です。このテーマには、物事が常に移ろい、変化し続けるという意味が込められています。私たちの周りには、季節の移り変わりや人の心の変化、時間の流れなど、さまざまな形で「流転」が存在しています。人間の歴史、自然の法則、私たちの日々の営みは、すべて変化と循環の中にあります。生と死、始まりと終わり、そして再生といった輪廻的な考え方や、時間とともに移ろう感情や価値観など、あらゆるものが流転のサイクルの中にあります。
この展示では、アーティストの皆様にそれぞれの視点で「流転」を考え、自由に解釈していただきたいと考えています。変化するものの美しさや、循環の中で生まれる新たな価値観など、さまざまな表現が交錯する展示にしましょう。
美術部部長 申鮮鎬
表現者であれば誰でも参加!アーティストを募集!
テーマワード:「流転」 一つの状態にとどまらず、移り変わって行くこと。
移り変わってやむことがないこと。とめどない変化。
まずは申し込み!!(申し込みは1月17日まで)
https://forms.gle/bBfqwus2JScBAm2i6
QRコード、リンクにあるお申込みフォームに記載してください。
メールアドレス、出品者のお名前、作品タイトル、サイズ、作品形式(平面、立体、インスタレーション、パフォーマンス等)をご記入する欄があります。(未定の場合は作品の予定などをお書きください。後日詳細連絡でも構いません。)
参加費は一人2000円(学校生徒は無料)となります。
後ほどメールにて詳細のお知らせと参加費振込先をお伝えします。
今回は東京芸術劇場が工事中の為オレンジギャラリーにて開催します。
床面積:120平方メートル(倉庫、洗面を除く)天井高:3.1m、展示壁高:2.2~2.4m
※壁は可動式で、フロアを一つの空間にレイアウトして展示する予定です。